「サンセット大通り」が描く愛と栄光を求めた女優の末路
1950年 ビリー・ワイルダー監督
サンセット大通りといってもパレードの映画やミュージカルではない。ハリウッドの大通りの屋敷で起きた事件を描いた作品。アカデミー賞の11部門にノミネートされ、3部門で受賞した。
ある邸宅のプールで若い男の死体が発見された。男は脚本家のギリス(ウィリアム・ホールデン)。彼は半年前、借金返済のため脚本を売り込んだが、仕事にありつけなかった。そんな折、取り立て屋に追われて古ぼけた豪邸に逃げ込む。屋敷では猿の葬儀を準備中で、ギリスは女主人のノーマ(グロリア・スワンソン)の勘違いで邸内に入る。
ノーマはかつて一世を風靡(ふうび)した無声映画の大スターだが、今は忘れられた存在だ。それでもカムバックを狙って「サロメ」の脚本を執筆。高額のギャラで原稿の手直しを依頼されたギリスは泊まり込みで作業を始めるが、トップ女優に返り咲けると思い込んでいるノーマをバカにしている。
やがてノーマはギリスを心のよりどころとして意識。言い争いをしてギリスが屋敷を飛び出したため自殺未遂を起こす。ギリスは屋敷に戻り、ノーマと深い仲に。