立川談志を訪ねて議員会館に「ヘビ」と「カエル」が…

公開日: 更新日:

■「会長への道」誕生秘話

 そんな因縁もあって談志が葬儀委員長を買って出て、馬風と共に葬儀を仕切った。

「陽気な葬儀だったな。談志兄貴が俺のかみさんを呼んで、師匠のおかみさんに習った民謡を歌わせるわ、アコーディオン漫談の近藤志げるの伴奏で弟子たちが懐メロを歌うわ、大騒ぎよ。にぎやかなのが好きだったおかみさんにとっちゃ、いい供養になったんじゃねえか」

 その頃、馬風に新たな売り物ができた。「会長への道」という題の漫談である。内容を説明すると、小さん会長はおかみさんの後を追うだろうから長いことない。幹部の円歌(先代)は若い女房をもらって精気を抜かれてるので間もなくご臨終。談志は誰かの恨みを買って殺される。志ん朝は元気そうに見えるが、実は脱腸を患っている。そして、次々と幹部が亡くなり、馬風が落語協会会長になるというオチだ。

「最初は短いまくらだったんだ。それがだんだん長くなって15分を超え、とうとう一席になった。これは、『どうせ俺なんか、会長になれっこない』と思ったからできたネタでね」

 これが寄席で大受けしたのである。 (つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出