内弟子時代はツラかったが…今では感謝の気持ちしかない
どんなにずぼらでも納税はキチンとしてます、三遊亭鬼丸です。
さて先日はうちの師匠のおかみさんを囲んで食事会がありまして、一緒に前座修業をした兄弟子にも会ったことから前座時代の話をしましょう。まずうちの師匠(3代目三遊亭円歌)は内弟子、住み込みの弟子を取ってる数少ない師匠でした。私が入門した平成9年当時はうちだけでした。ドラマなんかだと落語家は住み込みが当たり前みたいに描かれてますけど、弟子を住み込ませるのって大変ですからそんじょそこらの芸人にできることではありません。ただ朝から晩まで拘束される内弟子は正直ツラかったです。これって周りもみんな内弟子で落語の世界は皆がそうだって言われたらツラくはないんでしょうが、周りの前座は通い弟子で自由時間がたくさんあるのに、うちの一門だけがキツい思いしてると思うとツラいんですよね。ただ、だからこそ一緒に内弟子をした兄弟子とはどこか戦友のような結びつきを感じてます。
あと内弟子の頃は夢中でしたし、早く出ていきたい一心でしたが、十数年後に自分の子供がご飯食べてるのを見たときに、うちの師匠は血のつながりのない弟子を今まで何十人も飯を食べさせてきたんだなぁと、しみじみ感謝の気持ちが出たものです。