「i-新聞記者ドキュメント-」森氏 日本社会の集団化を危惧
大ヒットした映画「新聞記者」のリアル版ともいえる「i 新聞記者ドキュメント」が15日から全国ロードショーされる。前作は、官邸会見で菅官房長官と闘う東京新聞の望月衣塑子記者の著書を原案としたドラマだったが、今作は望月記者が取材する姿を通して、メディアの問題点や社会の同調圧力などに迫るドキュメンタリー映画である。昨年12月から10カ月間、望月記者に密着したという監督の森達也氏に話を聞いた。
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「予想はしていたけれど、望月さんを通じて見たメディアの閉塞と停滞状況は想像以上でした。ジャーナリズムは民主主義において最も大事な要素。それがこの状況ではマズい。ジャーナリズムは現場性が最も重要です。もちろん、企業メディアは組織ですから、上司の指示や利益も大事なことはよく分かります。しかし同時に、記者が現場に行って感じたことや思ったこと、怒りに震えたこと、伝えなければいけないと思ったことは、たとえ数字(視聴率)が取れなくても、部数に貢献しなくても『これはやるべきです』と言わなければいけないと思う。ところが、それが本当に脆弱化している。記者が組織の歯車になってしまっている」