「風と共に去りぬ」スカーレットはなぜ捨てられたのか?
見どころはラスト20分。打算的なスカーレットはレットの押しに負けて結婚するが、ことあるごとに彼とぶつかり、見捨てられてしまう。ここに至って彼が大切な存在だと気づき「tomorrow is another day」と呟くのだ。
レットが「君は身勝手な女だ」「男を不幸にする」と言うように、スカーレットには毒がある。余裕しゃくしゃくのレットですら、結婚するや毒の作用で激高し暴力的になった。スカーレットは結婚を破綻させるタイプ。南北戦争の松田聖子か。しかも、たくましさの裏に依存型パーソナリティーが隠れている。
スカーレットは「また明日がくるのだから」と言うが、レットの気持ちは変わらないだろう。霧の中を歩み去る彼は「この女と一緒だと身がもたんわい。ワシがバカだった」と自嘲しているようだ。
(森田健司/日刊ゲンダイ)