「ゼロ・ダーク・サーティ」女性分析官のビンラディン殺害
2012年 キャスリン・ビグロー監督
イスラム国の指導者バグダディが殺害されたニュースで思い出したのが本作。2011年のビンラディン殺害を描いたフィクションだ。
CIA分析官のマヤ(ジェシカ・チャステイン)は同僚のダン(ジェイソン・クラーク)が同時多発テロの犯人アマールを尋問する場に立ち会う。アマールは厳しい拷問に耐え切れず、ビンラディンの連絡係がアブ・アフメドという男だと自白。マヤはビンラディンの居場所をつかむためにアブ・アフメドの手がかりを探すが、容易に見つからない。
そんな折、同僚のジェシカがアルカイダの医師を抱き込み、アフガニスタンの基地に呼び出す。だが医師は兵士らに取り囲まれた中で自爆テロ。ジェシカら7人が殺される。ショックを受けたマヤはアブ・アフメドが死んでいたとの情報を受け、八方塞がりに陥るのだった……。
女流監督のK・ビグロー(ジェームズ・キャメロン監督の元妻)による女性が主人公の国際サスペンス。「女のドラマ」だ。冒頭の拷問はオバマ政権下で問題になった。
冷酷無比なダンはいつしか心が折れ、閑職を求めて帰国。彼の拷問に顔をそむけていたマヤは「多くの友人が殺された。残された私が敵を討つ」と決意し、捕虜を殴り、ビンラディン殺害にのめり込んでいく。ビンラディンらしき男の情報をつかむや、攻撃はまだかと毎日上司に抗議。CIA長官を交えた会議では例の男がビンラディンである確率を60%とする慎重派が多数だが、マヤは「100%」と譲らない。