落語家のお年玉事情 寄席に行くと先輩方が次から次へと…
さてここからが大事なところ。もらうときにはうれしいお年玉ですが、二つ目に昇進すると今度はあげる側です。前座と下座(おはやしのお姉さん)のお年玉を捻出しなくてはなりません。収入低い二つ目にはキツかったですねぇ。
高座はないけど太鼓係として入っている寄席の人数だけでも10人ほど。昼と夜両方に渡すと20人ぐらい。私は師匠のお付きで2カ所の寄席に顔を出すため全員のおよそ40人分を毎年出しました。金は天下の回りものというか因果応報というか良いことばかりは続きませんね。
今年で私も渡す側になって20年目。新札を用意し、自分の名前を入れた和紙のポチ袋に入れて全員に渡してます。もらったときのことを思い出すと、この人はいくら、新札かそうじゃないか、ポチ袋が自前かそうじゃないかとか、そこに憧れや畏敬の念があったんですよね。少しでも格好つけたいんで、ちゃんと自前のポチ袋に新札入れてます。中身は1000円ですけどね。