「芸人で食っていける」という考えがずうずうしいのでは?
まだまだ収まらないんですかね、吉本興業の騒動は。もう何が問題なんだか分からなくなってきてますけど、そんな中で今回は私がちょっと違和感を覚えている吉本の給料が安いことについて触れたいと思います。
我々、東京の落語家はほぼ全員がフリー、売れれば個人事務所でやってます。これは昔の東京の落語家は大手事務所(ナベプロとか)ができる前からテレビ、ラジオに出ていて、その流れで、いまだに個人商売の感覚から抜けてないからなんですよ。さらに弟子でも師匠の事務所に所属しなければいけないわけではないんです。それに比べると関西の落語家は皆さん事務所に入ってますよね。これは戦後の四天王といわれた落語家がみんな吉本や松竹の事務所所属だったため弟子も師匠と同じ事務所に自動的に入るシステムだからでしょう。でもそのおかげで関西には文枝、さんま、鶴瓶、文珍ら全国区の落語家が存在してます。
テレビ局が芸能事務所を通して仕事をしたがるのはよくわかります。オーディションの連絡もスムーズですし、売れそうなのをいち早く推薦してくれますし、何かトラブルがあったときの責任の所在も明らかですし。事務所だってテレビで顔と名前が売れればそのあとで儲けは回収すればいいんでしょうしね。そう考えていくと吉本って売れれば一獲千金丸儲け。マスコミに売り込んでくれる、賞レースだって会社がつくってくれて毎年新しいスターづくりに余念がなく、自前の舞台も持ってて育成にも力を入れてる有能なお笑い事務所ですよね。