著者のコラム一覧
三遊亭鬼丸落語家

昭和47(1972)年生まれ。長野県上田市出身。平成9年、三遊亭円歌に入門。前座名は「歌ご」。平成12年、二つ目に昇進し「きん歌」に改名。平成22年、「三遊亭鬼丸」襲名で真打ち昇進。NACK5「ゴゴモンズ」メインパーソナリティー。

落語とプロ野球の「深イイ話」楽屋ではGファン目線が鉄則

公開日: 更新日:

 秋の芸人は稼ぎ時、毎週末シャカリキに働いてる三遊亭鬼丸です。

 さて現在開催中の侍ジャパン、プレミア12がいまいち盛り上がらないなんて言われてますので、今回は落語界と野球についてです。私が入門した二十数年前は、楽屋のテレビが必ず野球中継で、当然巨人戦。また楽屋の大御所師匠たちはみんな巨人ファン。「野球どうなってる?」「はい、勝ってます」という巨人という断りが要らない巨人中心の楽屋。ある時、大御所が誰もおらず、中堅、若手、そして私がテレビの前で野球について話してました。なんか会話に違和感を覚え、どこのファンか確認してみたら広島ヤクルト、そして私は阪神ファン。なのに楽屋のなかでは決してどこのファンかわからないように、そして基本巨人ファン目線でしゃべることを強いられる、それが楽屋での振る舞いなんです。まるで隠れキリシタンです。

 話は変わりますが、私の知り合いに子どもの頃から巨人ファンだったけど、あれ以来アンチ巨人になったという落語ファンがいます。あれとは何かというと、大河ドラマいだてん」でも描かれましたが、巨人の優勝祝賀会の余興に呼ばれた古今亭志ん生が倒れるというアレです。詳しく話すと、選手たちは先にパーティー会場に着いていたけど、川上監督が遅れていて何も食べずに待っていた。お腹のすいてる選手たちが我慢しているところに川上監督登場。やっと食事が取れるところで志ん生登場。食べてて誰も落語聴かない。志ん生イラつく。血管キレる。ということです。そのため、その落語ファンは志ん生を倒れさせた巨人を許さないそうです。巨人の選手といえば、堀内恒夫さんは落語好きなんですけど、まだ入団してなかったんですよね。せめて堀内さん一人でも聴いてたら志ん生は倒れなかったかも。

 さて最近は楽屋のテレビも春夏の高校野球ぐらい。世代ごとに野球が好きな芸人というのはお互いに認識してますが、それは裏を返せば、それ以外の芸人は野球に興味がないということ。野球離れは進んでますね。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  1. 6

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  4. 9

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  5. 10

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…