落語とプロ野球の「深イイ話」楽屋ではGファン目線が鉄則
秋の芸人は稼ぎ時、毎週末シャカリキに働いてる三遊亭鬼丸です。
さて現在開催中の侍ジャパン、プレミア12がいまいち盛り上がらないなんて言われてますので、今回は落語界と野球についてです。私が入門した二十数年前は、楽屋のテレビが必ず野球中継で、当然巨人戦。また楽屋の大御所師匠たちはみんな巨人ファン。「野球どうなってる?」「はい、勝ってます」という巨人という断りが要らない巨人中心の楽屋。ある時、大御所が誰もおらず、中堅、若手、そして私がテレビの前で野球について話してました。なんか会話に違和感を覚え、どこのファンか確認してみたら広島、ヤクルト、そして私は阪神ファン。なのに楽屋のなかでは決してどこのファンかわからないように、そして基本巨人ファン目線でしゃべることを強いられる、それが楽屋での振る舞いなんです。まるで隠れキリシタンです。
話は変わりますが、私の知り合いに子どもの頃から巨人ファンだったけど、あれ以来アンチ巨人になったという落語ファンがいます。あれとは何かというと、大河ドラマ「いだてん」でも描かれましたが、巨人の優勝祝賀会の余興に呼ばれた古今亭志ん生が倒れるというアレです。詳しく話すと、選手たちは先にパーティー会場に着いていたけど、川上監督が遅れていて何も食べずに待っていた。お腹のすいてる選手たちが我慢しているところに川上監督登場。やっと食事が取れるところで志ん生登場。食べてて誰も落語聴かない。志ん生イラつく。血管キレる。ということです。そのため、その落語ファンは志ん生を倒れさせた巨人を許さないそうです。巨人の選手といえば、堀内恒夫さんは落語好きなんですけど、まだ入団してなかったんですよね。せめて堀内さん一人でも聴いてたら志ん生は倒れなかったかも。
さて最近は楽屋のテレビも春夏の高校野球ぐらい。世代ごとに野球が好きな芸人というのはお互いに認識してますが、それは裏を返せば、それ以外の芸人は野球に興味がないということ。野球離れは進んでますね。