「たけしのお笑いウルトラクイズ」で絶叫しながら60m落下
カタカタカタ……コロリ!えーと……俺の人生ルーレット……今回止まったのは? 1992年てことは、あのお笑い界の伝説として現在なお語り継がれる、あの番組のあのクイズ(?)の年ではないか!? あー! やっぱり晴天の空を見上げれば、60メートルを超えるコンクリート造りの霞ケ浦ふれあいランド・虹の塔の屋上から滑り台が空中に突き出てるよー!!
そしてそこに、頭を空中の方へ向け、横たわっているのは……ウワ~まさしくこの俺なのだー!!
その伝説の番組は「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」であり、俺が挑戦しようとしているのは、不正解だと滑り台の足の方が持ち上がり、そして体は60メートル超えの屋上から落下する「滑り台バンジージャンプクイズ」であったのだ。
大の大人がこれほどまでに大がかりにくだらないことに命もかければ金もかける、そんなバブル期の余韻がまだ残る時代であったのだ。
ある時、番組プロデューサーで「純米酒を抱いて眠る男」という異名を持つA氏がグラスを片手に赤ら顔で言ったのだ。「まあ、ここだけの話ですがね、ダンカン君はこの番組の放送作家だから、コッソリ言っちゃいますけどね、今回のお笑いウルトラクイズの制作費ですね……(ここで、もったいぶった間をつくった)ちょっとした映画を作るくらいのお金かかっちゃいましてね、ウフフフ……いや~参った参った、プロデューサーとしては頭が痛い限りです」と、三百六十度どこから見ても頭の痛さなどみじんも感じられない態度を示したのだった。