「たけしのお笑いウルトラクイズ」で絶叫しながら60m落下
その時、俺は制作費に関しては一切無知だったので、実際の金額は尋ねなかったと思う。映画と同じほどの制作費は純米酒がA氏に大風呂敷を広げさせたのかもしれないが……とにかく現在とは格段の違いで湯水のごとく制作費を使え、さらに現在のようなコンプライアンスや放送の規制が限りなくゆるい、まさに「夢の時代」であったのだ。
そんな中、番組会議に俺が出したネタが、滑り台バンジージャンプ。会議室には日本テレビの演出の財津功氏をはじめ、プロデューサーを務めていた伊藤輝夫氏(現・テリー伊藤)や他のプロデューサー、ディレクター、放送作家ら20人ほどの人間がいて、それを見た瞬間に全員の目がキラリ!! と輝いたのだった。
しかし、何でもありのイケイケのテレビの時代とはいえビルからバンジーとなると危険度は半端ではない……。財津氏がすかさず「面白い! ぜひやりたい!! でも、大事故の可能性も……タレントはどうする?」と質問を投げかけてきた。「ええ、それは太田プロです。太田プロなら金で動きます! ダチョウ倶楽部とか?」と俺、「なるほど……」と、早速スタッフが太田プロに打診の連絡を入れると、「さすがにうちのタレントをそんな危険な目に遭わせられません!!」とあっさり断られる予想外の展開に……。