純粋に育ったわが家の“変わった息子”たち
カタカタ……コロン! うむ、今回、俺の人生ルーレットが止まったのは? あら、教室? しかも、ここは小学校低学年の教室だぞ? で、俺を含め大人たちが教室の後ろに立っているってことは……あー! 父兄参観ということか!!
となると、あー! いたいた、あの後ろから見てもソワソワと落ち着きのない態度は、わが虎太郎に他ならない。ということは2005、06年ということになるのだ。
その時、教壇の先生が「では、きのう言ってあったように、みなさんの宝物を机の上に出して、なぜそれが自分の宝物なのか、順番にお話ししてください。いいですか」「はーい!!」という小学生たちのカン高く澄み切った声が教室中に響き渡ったのだった。
ある女の子は幼い頃から大切にしているのだろうと思われる人形を取り出し、またある男の子は野球のグラブを左手にはめて右手の拳でパンパンと叩いている。そうして、どの子も宝物を机の上に並べているその時、「キャー」ダダダダダー、「イヤだ、なーに!?」ダダダダダーと教室内が突然、パニックに包まれたのである。