漫才師・横山ひろしさん「酒逸話」…師匠と家族と相方と
それで僕が歌うたび、たかしは必ず泣くんです。故郷から出てきた頃の思い出がよぎるんでしょうね。それで「頑張ろうな、頑張ろうな」って言うんです。
酔うと必ず、「あゝ上野駅」。酒にまつわる話でこれが一番思い出しますね。
妻(春けいこ)は酒が弱いけど、若い頃は飲み会から酔って帰ると、転げ回るほど陽気になって僕や娘にしなだれかかってきた。明るい酒でしたね。僕と娘はうっとうしがってたんですけど。
実は娘が強いんですよ。僕と妻も弱いのに僕と妻の親が酒飲みやから、隔世遺伝ですかね。おもろい娘で、小さいころから親子でテレビに出ていました。周りからは芸人になると思われていたけど、小学校高学年になった時、僕が「芸人になるか」と尋ねたら、「パパとママは偶然にも芸能界で名を上げたけど、全員が成功するわけではないから私はようやらん」と。しっかりしてましたね。
大きくなってから3人で食事に出かけると、娘は飲んでますね。妻と去年、コンビを結成した時には夫婦漫才のネタを娘に見てもらい、アドバイスしてもらいました。今は千葉の方に嫁いでますけど、遊びにきたら一緒に飲みながら、娘に若い人のはやり言葉とか教えてもらってネタに生かしてますわ。