渡哲也×裕次郎 “鉄の結束”逸話「肉体関係のないホモ集団」

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 故石原裕次郎(1987年没・享年52)を中心に“鉄の結束”を誇った石原プロモーション。特に裕次郎さんと渡哲也さんの関係は特別なものだった。伝説のドラマ「西部警察」が大ヒットしていた頃(1982年)、2泊3日の地方ロケに同行取材した元女性誌の記者は明かす。

「“団長”こと渡さんはヘビースモーカーでカットがかかるたびに付き人から火のついたたばこを受け取って吸うんです。当時、裕次郎さんは大動脈瘤の手術を終え、退院したばかりでした。医者から禁煙を厳命されていたはずでしたが、そのたびに裕次郎さんは渡さんにたばこをせがむんですよ。渡さんは、“しょうがないな”と苦笑いしながら、自分の吸いかけをスッと差し出す。裕次郎さんは、それをおいしそうに深く吸い込み、煙を吐き出していました。2人のしぐさから、信頼関係が垣間見えましたね」

1日100本のチェーンスモーカー

 裕次郎さんを心から慕い、支え続けた渡さんの思いは鉄壁のものだった。

「その企画では、裕次郎さんにもインタビューしたのですが、『俺と哲、というか石原プロっていうのは、“肉体関係のないホモ集団”なんだ』と語っていたのが印象的です」(前出の記者)

 この時点で、渡さんはすでに裕次郎さんの体をむしばむがんについて知っていたはず。しかし、渡さんも当時、1日100本以上のたばこを吸っていたチェーンスモーカーだった。記者が「肺がんが気になりませんか?」と水を向けると「気になりませんね。私の父親もヘビースモーカーでしたが、死んだのは胃がんでしたから」と答えたという。




誕生日も同じ

 常に周囲を気遣い、飲食店などで知り合いの芸能人に会うと、先に会計をすべて済ませて帰ることもしばしばだったという。そうした渡さんの気遣いは同様に記者にも向けられた。ロケから数年後の話。

「銀座の高級クラブに行ったら、渡さんがいたんです。我々は離れたところで静かに飲んでいたんですが、ほどなく渡さんの席に着いていたホステスが『これ、渡さまからです』と、渡さんが飲んでいたのと同じ高級ウイスキーの新しいボトルを持ってきたんですよ。私より渡さんと親しかった記者は、他のクラブでも何度か同じ経験をしています。とかくマスコミの人間にぞんざいな態度を取る芸能人が多い中、渡さんは、そういうところは皆無。どんな時も誰に対しても誠実で紳士的な対応をする“気働きの人”でした。裕次郎さんもそんな渡さんに支えられていたのだと思います」(前出の記者)

 裕次郎さんと渡さんは誕生日(12月28日)も一緒。同じ星の下に生まれた運命共同体だった。

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