<8>素人だけでなくプロのマジシャンまで道具に頼りすぎ

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 テレビの演芸番組とコマーシャル出演ですっかり売れっ子になったマギーは、故郷の茨城県下館町(現・筑西市)に帰省した際、生まれて初めて母親にお小遣いをあげた。

「当時、僕は30代の半ばでしょ。稼いでるといっても、3000円がいいとこかなと思って渡したんです。そうしたらおふくろが、『これだけ?』と言うんですよ。『テレビに出てるんだから、もっと出してもいいだろう』という顔をしてる。僕が家出した時に捜索願を出さなかった親ですよ。そのくせ3000円じゃ少ないっていうんだから。やっぱり1万円やればよかったかな」

 1万円といえば、マギーの持ちネタに、「1万円札印刷機」というのがある。白い紙を小さなプリンターに入れると、コピーしたかのように1万札になるのだ。

「あれは師匠のマギー信沢の形見なんですよ。借りてる間に亡くなったのでもらっちゃった。札と同じ大きさの白紙を1万円札にするというたわいのないネタなんですが、僕はまずお客さんから1万円札を借りるの。それを白紙に換えて、『すぐに刷りますから』ってプリンターに入れる。1万円札に戻して返す時に、『早く使ってくださいね。1時間くらいたつと白紙に戻りますから』と言うと受けるわけ。ところが、そのマジックを見ていた客の1人が警察に通報したことがありました。『偽札を作ってる』って」

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