<1>コロナで暇 でもマジシャンはたいした稽古はしないのよ
国内にマジシャンの数は多いが、最も芸人のにおいがするのはマギー司郎だ。マジックの合間の味のあるおしゃべりが面白く、その人柄はファンだけでなく芸人仲間にも愛されている。そんなマギーに、下積み時代の苦労話、「おしゃべりマジック」を始めたきっかけなどを語ってもらおう。まずは、今回のコロナ禍の影響を尋ねた。
「3月からこのかた、地方の仕事が全滅ですね。会場は自治体が運営するホールばかりだから、コロナ対策に神経質なんですよ。暇なら稽古をすればいいといっても、落語家さんなんかと違ってマジシャンはたいした稽古はしないのよ。ホント、暇です」
テレビ出演はどうなのか。
「来月、1本だけBSの演芸番組があります。テレビの場合、僕にマジックの道具を渡す『後見』といわれるアシスタントが必要なんだけど、2人だと密になるので1人でやってくれと言われました。漫才はコンビの間にアクリル板を立ててやればいいけど、マジックはアクリル板で仕切っちゃったら道具を渡せないもんね。すべてがやりづらい世の中になりました。持続化給付金なんていらないから、昨年度の税金を免除してくれないかなと思ってます。だって、3月から半年間、ほとんど無収入なのに、税金だけはしっかり徴収されるんだもの。なんとかして欲しいですよ」