「わたナギ」勝因はヒーローとヒロインの“らしさ”の逆転か
ドラマ「私の家政夫ナギサさん」(略称:わたナギ/TBS系)が1日、最終回を迎えた。同回の視聴率は19.6%と、番組最高を記録。筆者も、気付いたら毎週火曜日を心待ちするようになるほど、久々にドラマにハマってしまった。
ストーリーは製薬会社のMRとしてバリバリ働き、仕事はできるが家事スキルがゼロの相原メイ(多部未華子)が、妹のはからいによってやってきたスーパー家政夫、通称ナギサさん(大森南朋)と出会うところからスタートする。
■ストレスフリー。適度な非現実感
筋書き自体は、よくある「働く女性」にスポットを当てたドラマのように感じるかもしれない。実際、最近のドラマの傾向としても「働く女性の現実」をリアルに描いた作品は多い。
しかし「わたナギ」はどちらかというと、リアルさを売りにしたドラマではない。その理由の一つして挙げたいのが、主要人物が全員「いい人」というところだ。
理解ある上司、助け合えるチーム、そして良き同僚に囲まれ、メイは仕事ができている。また、一見「毒親」かのように見えたメイの母も、倒れた娘のために苦手な料理を頑張る、不器用で憎めない母親なのだと分かった。