小松政夫さんが語った仕事人生 1日24時間働いて飲んで…
「昔は昼に映画の仕事をして4時に終わったら3時間寝る。9時スタートでテレビの仕事が翌朝8時半までぶっ通しで、そのまま寝ずに次の仕事に入るなんてこともありました」
肝細胞がんのため、このほど78歳で亡くなったコメディアンの小松政夫さんは大の仕事人間であった。日刊ゲンダイに何度も登場し昭和の全盛期のエピソードを語ってくれていた。「ひどい時は1週間の睡眠が10時間なんてザラ」という売れっ子ぶりだったそうだ。
肉好きで仕事後も焼き肉、ステーキを食らい、毎晩大酒を飲んだ。
「人が一生かかって飲むくらいの酒を3人分は飲んだ」などと振り返り、糖尿に注意するよう医者には言われても、笑い飛ばしていた。
「俺は一生懸命やってきたのに、なんで金がないんだ」
みじめ、みじめ~とばかりに妻朋子さんに愚痴った時、「あなたが全部飲んじゃったからよ」と即答され、返す言葉がなかったそうだ。
映画評論家の故・淀川長治さんの物まねに「しらけ鳥音頭」「知らない、知らない」「どうして、どうしてなの?」「何をユージロー、シマクラチヨコ」などなど。小松さんのネタは職場や酒場などでの人間模様を独自の観察眼で切り取ったものが多い。創出したギャグは80を超えたが、それこそ一日24時間、働いて、飲んで、見つけたたまものだったのだろう。