メリーさんの知り合いという“黒幕”K氏の眼光は鋭かった
「この連載を止めさせる方法はないのか」
即座に答えた。
「連載を止める方法を私に言われても、わからないとしか言いようがない。少なくとも私に頼むのはお門違いです」
そんなふうに答えていたと思う。その後、川又氏と何度となく耳打ちしていた。
「よし、わかった。店を替えて飲み直そう」と六本木に移動した。私はひとりタクシーで指定された店に行った。
クラブだった。席に着くなりK氏の顔も緩んできた。ほとんど仕事の話はなし。私の緊張感も解けてきた。記者稼業の習性で、メリーさんとの関わりだけはどうしても聞きたい。
「メリーさんとKさんのような人の接点がどうしてもわからないんです」と聞いていた。
多くの取材で核心の話を聞く時、いつどのタイミングで聞こうかと考えても、うまくいかなかったりする。考えて質問するより、とっさに聞くほうが相手もすっと答えるものである。意外な話が返ってきた。=つづく