メリーさんの知り合いという“黒幕”K氏の眼光は鋭かった
ジャニーズのルーツ編(18)
ジャニー喜多川氏のセクハラ追及キャンペーンが「週刊文春」で始まった。間もなくして旧知の間柄で、各プロダクションの顧問を務める川又誠矢氏から「ある人に会ってもらいたい」という連絡があり、意図を聞いた。
「メリー(喜多川)さんと古くからの知り合いのKさんという人で、連載について話を聞きたいと頼まれた。あくまでもお願い。それ以上はない」という旨だった。相手の名前に聞き覚えがあった。
政財界から芸能界まで「黒幕」と呼ばれていると耳にしたことのある人物。ジャニーズ事務所と関わりのあることがにわかに結びつかない。返事を躊躇しているのを察知したのだろう。「会うとわかるけど、話のわかる面白い人だから。食事でもしよう」と言ってきた。
赤坂近くにあったしゃぶしゃぶ屋の個室を指定された。当日、用事があり20分ほど遅れて店に着いた。店の前に黒の大型国産車が停車している。外で立っていた丸刈りの黒スーツの若い男性を見てくだんのK氏の車とわかった。個室に入ると、仲介の川又氏がK氏の横に移り、私はK氏の正面に座った。