フジ「朝顔」最終章へ 昭和世代に刺さる作りに抜かりなし
テレビコラムニストの亀井徳明氏は「見る側のスタンスによって評価が分かれるのは当然。でも、そんな中で視聴率が高めで安定しているのは、リアルタイムでテレビに向かう年配層に響いている証拠でしょう」と、こう続ける。
「リアルタイムで地上波ドラマを見る層にとっては、“事件・医療もの”は見やすい。そこに“家族”や“感動”が入れば、続けて見たくなる。そして今回、監察医の娘の“バディー”でもあった刑事の父が認知症になってしまうという展開には、上野さん世代、時任さん世代それぞれの心を動かすものがあったと思います」
そういえば、昨年11月2日放送の初回のラスト、朝顔のモノローグは「この時の私はまだ気づいていなかった。私たち家族に残された時間がそう長くはないことを……」だった。つまり、このドラマはそもそも事件より「家族」を描くことに重きを置いていたのだろう。
「『職業+主人公の名前』というだけのシンプルなタイトルもそうですし、第14話のクリスマスの描き方も、ネットよりもテレビが大好きな中高年世代に刺さる作りですね」(前出の亀井徳明氏)