TAIGAさん 子供はパパの仕事をウーバーイーツと思っている

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 先月「アメトーーク!」(テレビ朝日系)で話題になった企画「40歳過ぎてバイト辞められない芸人」で、奥さんに支えられ、売れっ子芸人に慕われているエピソードで注目されたピン芸人のTAIGAさん(45)。独身時代は寒すぎるボロアパート、結婚後の節約術など面白くも切なく、そして勇気の出る貧乏エピソードを語ってくれた……。

  ◇  ◇  ◇

「アメトーーク!」に出た直後は今までにないくらいの反響がありました。下積みが長いから番組で話した設営の仕事をやる前も、実はいろんなバイトをやっていたんですよ。

 若い頃住んでいたアパートが風呂ナシで、築年数が経ちすぎて建物が傾いていました。2階建ての2階に住んでましたが、ビー玉をポンと置くと転がるんですよ。家が傾くと窓がきっちり閉まらず斜めに隙間ができて、真冬は隙間風に震えながら寝てました。砂壁だったから壁に段ボールを張り付けて。ボロくて風呂ナシなのに家賃は4万3000円もしてました。

 自炊する方じゃなかったから、ショーパブに出ていたので賄いを食べたり、余った唐揚げを持ち帰ってました。

■やついフェスでは設営も出演、バラシも全部やった

 イベント設営などの大道具のバイトは倉庫でのトラックの積み降ろしがメインだったので、完全な肉体労働でした。フジロックやももクロ、AKBとかメジャーなライブイベントの設営も関わってました。エレキコミックのやつい(いちろう)さんが主催のやついフェスに出演できた時は設営もやったので、仕込み、出演、バラシと全部やりました。出演料と設営のバイト料は別々にいただけたけど、出演料より設営のバイトの方が高かったっていう(笑い)。

 コロナの影響で設営の仕事が減ったので、最近はウーバーイーツをしてます。この取材の前の午前中もやってました。子供はパパの仕事を完全にウーバーイーツと思っています。

 仕事中、子供と同じ保育園に通われてるママ友さんと近所で遭遇すると、ウーバーイーツの仕事をやってると思われたくないから、「イベント系の仕事をやってまして、今コロナで仕事がないからバイトしてます」と言い訳しちゃってたんです。でも、だんだん芸人だと気づかれ始め、「アメトーーク!」に出させてもらったこともあり、今はもう保育園でも僕のことを知ってくれてるお母さんや先生も増えたみたいです。今は開き直って保育園の近くでもウーバーイーツやってます!

オードリー若林が喜んでくれた

 番組のVTRに出た奥さんは芸人の仕事に理解がありますが、嫁の両親も理解がありまして「TAIGAさんは芸人やっている時が一番目が輝いているから、絶対続けた方がいい」「やりたいことをやって立派だ」と応援してくれてすごくありがたい。

 うちの親も応援してくれていて、オンエアを見て、「奥さんが息子のことを『世界で一番面白い』と言ってくれたのがうれしかった。すてきな奥さんだね」と嫁をメチャ褒めてましたね。

 嫁が穴の開いた靴下を縫って、「まだはけるね」と言ってくれたエピソードを番組で泣きながら話しましたけど、実はお古の子供服を知り合いや先輩芸人からもらうこともあるんです。遅い結婚だったので、僕や嫁の友達はもう子供が大きいから、「いらなくなったからあげるよ」とくれるんです。子供の服はワンシーズンで着られなくなりますからね。もらえると助かります。

 出演が決まった時に喜んでくれたオードリーの若林(正恭)くんはオンエア後にも連絡くれて、「これで仕事が増えそうですね」と喜んでくれました。ちょっとずつですけど増えていきそうなのかな、という感じではあります。

 嫁には週5でバイトもしてもらってますから、僕がもっと売れて、楽をさせてあげたい。子供も大きくなるので、できればもうちょっと広い部屋に住みたいですし。僕はロックンロールとか歌ネタが多いので、「TAIGAフェス」を開催したい。自分で設営して自分が呼んだアーティストさんと出演して、バラシまでやるのが夢です。

▽本名=福谷大河 1975年11月、神奈川県出身。99年から芸能活動。コンビなどを経てピン芸人TAIGAに。モノマネや歌ネタを持つ。2014年に「R―1ぐらんぷり」決勝進出。

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