追悼・若松武史さん 毒と華を併せ持つ希代の俳優だった

公開日: 更新日:

 個性派俳優の若松武史さんが甲状腺がんのため14日に亡くなった。享年70。NHK大河ドラマ「武田信玄」「龍馬伝」「八重の桜」をはじめ、多数のテレビ、映画にも出演した。「武田信玄」では信玄の弟・信繁役に抜擢され、その演技力が高く評価された。

 東京出身。日大芸術学部在学時代に学生劇団「転倒虫」を結成。寺山修司の「毛皮のマリー」を上演したことから寺山演劇に傾倒し、寺山が主宰する演劇実験室・天井桟敷に入団。跳躍力を生かした独特の身体表現で注目され、中・後期天井桟敷の中心俳優として活躍した。彼がポーランドの前衛演出家グロトフスキーに触発されて編み出した「大滅亡」という跳躍と痙攣の身体術は海外公演で観客の度肝を抜き、天井桟敷演劇の代名詞ともなった。

 1983年に寺山が死去し、劇団が解散するとミュージカル、ストレートプレーと活躍の場を広げた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動