佐藤二朗は大活躍 ドラマを面白くしているのは個性派だ!
佐藤二朗の活躍が目覚ましい。自身が主宰する演劇ユニット「ちからわざ」の舞台を映画化した「はるヲうるひと」が公開中で、その宣伝でバラエティー番組に出まくっていた。原作・脚本・監督を担当、さらに俳優としても出演。これまでコメディーのイメージが強く、てっきりそっち系かと思ったら、真逆だったので正直、驚いた。
また、12日にスタートしたNHKの土曜ドラマ「ひきこもり先生」でも主演。11年間ひきこもり生活をしていた経験を見込まれ、公立中で不登校の生徒のための特別クラスを受け持つ非常勤講師という難しい役どころを演じている。
さらに、NHK「歴史探偵」では歴史探偵社の所長、フジテレビ系のクイズバラエティー「99人の壁」でのMCなど俳優だけにとどまらず、マルチ人間とは佐藤のことだ。
先日バラエティーに出演した際は無名時代、ドラマ「人間の証明」で刑事役に起用されたが、わざと下手に、「この人はホンモノの刑事じゃないのか」と錯覚させるように演じたと語ったのを聞いて、ただものではないと再認識した。
佐藤は主演もできる個性派、性格俳優。同じタイプはムロツヨシや阿部サダヲか。ムロは先週「ミュージックステーション」に出演し、スカパラとコラボした「めでたしソング feat.ムロツヨシ」を披露したが、演じても歌ってもユーモラスなところがある。
主役を食う存在感ならでんでん、イッセー尾形
一方、主演向きではなく、脇で演じると個性的で光るタイプもいる。例えば、朝ドラ「おかえりモネ」で森林組合の古参職員役のでんでん。「モネ」のでんでんは、知らない人が見れば本当に森林組合の職員じゃないかと思わせるほどドラマの中でなじんでいる。お国言葉も板についていて、てっきり東北出身と思ったら福岡出身だった。「お笑いスター誕生!!」出身で、もはや当時のネタを覚えている人も少ないだろう。一時期、タクシー運転手はでんでんが一手に引き受けていた印象もある。悪役ぶりも凄みがあっていい。でんでんの後継者は荒川良々か。
また、イッセー尾形はくしくもでんでんと同じ「お笑いスタ誕」出身で一人芝居の第一人者。現在、テレビ朝日系「コタローは1人暮らし」で5歳のコタローが1人暮らしをするアパートの大家夫婦、清水のじーさんと清水のばーさんの2役を演じている。登場シーンは少ないが、ちゃぶ台を前にお茶を飲んでいるだけで、おかしくって! 今期、大河ドラマ「青天を衝け」の徳川家康の北大路欣也とイッセー尾形は「出ないかな」とワクワクする2大キャストだ。
脇役を称してバイプレーヤーというが、そういうスマートな言葉では収まらない俳優たち、そんな彼らこそドラマを面白くしている。