飯野矢住代誕生秘話<10>「私にはジョニーが必要なの。ジョニーにも私が必要だと思うの」
《幼いころ、父と離別した矢住代は、ふたりの境遇があまりに似ているのにビックリした。ふたりの心は、いつかかよいあっていた》(「週刊平凡」1970年1月15日号)
とはいえ、このとき矢住代には大学生の恋人がいた。そこで矢住代は、大学生の前でこう宣言する。
「私にはジョニーが必要なの。ジョニーにも私が必要だと思うの」
かくして、大学生と別れて飯野矢住代は、「ジョニー」こと吉長信喜と付き合い始めた。それだけではない。原宿のマンションで一緒に暮らすようになったのだ。
飯野矢住代の“新恋人”は、マスコミの格好のネタとなった。記者は「姫」の前で待ち構えて、勤務を終えた矢住代をつかまえて取材をすることもあった。普通の女性なら「今はプライベートです」とか「ご想像にお任せします」などとけむに巻くところだが、矢住代はあけすけになんでも話した。ミス・ユニバース日本代表に選ばれた際の「二号発言」もそうだが、注目されるのが何より快感だったのかもしれない。事実、雑誌のインタビューで次のように明かしている。