１９７１年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。ＣＳ放送「サムライＴＶ」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。７月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」（新潮社）が、第４３回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。
「視線が合った瞬間、バシッと大きな音が心にひびいたわ。男と女って不思議ね。わずかな時間のなかで運命づけられるものなのね」（「週刊ポスト」1971年６月11日号）
意気投合した２人は逢瀬を重ねた。初めてのデートはＳの運転するムスタングで江の島に行ったのだという。程なく矢住代はＳと結ばれる。傍らでフィリップモリスを静かにくゆらせるＳに、矢住代は満たされぬ父親の愛を感じていた。=つづく
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