著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<4>都はるみの前座では「引っ込め!」とヤジられ…

公開日: 更新日:

 1965年8月13日、日本コロムビアの専属作曲家である上原げんとが、軽井沢に向かう車の中で心臓発作を起こして急死する。50歳の若さだった。上原の門下生でデビュー2カ月の新人歌手、松山まさるの運命もこれを機に急転してしまう。

 このとき2枚目のシングル「恋の船頭さん」(作詞・丘灯至夫/作曲・上原げんと)をリリースしたばかりだったが、後ろ盾を失った影響は大きかった。これといったプロモーションもなく、メディアにも取り上げられず、当然売れなかった。早い話が見放されたのだ。いかに師の存在が大きかったかということだろう。

 その後も、「母と子の道」(作詞・白鳥朝詠/作曲・市川昭介)をリリースし、すでにトップ歌手となっていた都はるみの13枚目のシングル「まんまる音頭」のB面として「お月見おどり」(作詞・丘灯至夫/作曲・船村徹)を5人の歌手とレコーディングするも、まったく話題にも上らず、芸能誌にその姿が現れることも一切なくなった。

 あるとき都はるみのコンサートの前座を務めたら「引っ込め」「早くはるみを出せ」と散々ヤジられた。噛ませ犬にもなれなかった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動