著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<4>都はるみの前座では「引っ込め!」とヤジられ…

公開日: 更新日:

「いろいろと苦労した人だけに、おそらく、あの人の悪口をいうものは、歌の関係者では、ひとりもいなかったと思います」と人気歌手の近江俊郎は上原の死を悼んだが、生き馬の目を抜く芸能の世界、上原も敵は少なくなかったのかもしれない。そうでなくても、この時期の日本コロムビアには、遠藤実、市川昭介、船村徹と実力派の作曲家が名を連ねていた。亡くなったライバルの弟子を殊更にプッシュしてやろうという人情家がいなかったか、「こいつは売れないだろう」と見切りをつけられたか、そのどちらか、もしくは、どちらでもあるのだろう。

■飼い殺しだったコロムビアを離れポリドールへ

 その後、松山まさるは「働きながら学ぶ友」(作詞・白鳥朝詠/作曲・市川昭介)という曲を最後に日本コロムビアから新曲がリリースされることはなくなった。飼い殺しにされたのだ。結局この翌年、デビュー以来の日本コロムビアを離れ、ポリドールレコード(現・ユニバーサルミュージック)に移籍、芸名も心機一転「一条英一」と改名した。おそらく「一から出直し」という意味が込められていたのだろう。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動