<92>大下さんは喪主の挨拶をする早貴被告の脇に立った
後で彼女はそのときの心境を打ち明けてくれたが、早貴被告の「3000万円をあげる」発言後に大下さんは明らかに彼女の擁護をするようになったのである。
「通夜の最中、スマホでゲームをしている若妻に対して、参列席から罵声が飛んだ」
後日、某週刊誌がこのような見出しで記事を掲載したが、これは全くのウソ、捏造、空想記事であり、そのような事実は一切なかったからあきれるばかりだ。
「参列した方から聞いたらしいですよ」
この週刊誌の編集者から事の次第を聞く機会があった。
「誰から聞いたの? 複数の方から聞いてる?」
「それは確かめていませんが、取材したのがベテランの記者の方だったので信じてしまいました」
実はこの通夜には共同通信社の若い記者も潜入していた。
「キミはあの週刊誌の記事がデタラメだということは知っているよね」
「ええ、罵声なんて飛んでいませんでした」