著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<99>「警察は黒幕がマコやんとヨッシーという見方もしているみたいよ」

公開日: 更新日:

 大下さんが最も疑問に思ったのがビール瓶のことだった。これはドン・ファンが亡くなった半日後に私が大下さんから直に聞いているので、記憶違いということは考えられない。ビール瓶に覚醒剤を混ぜて飲ませたのではないか。そんな推理もあったが、味に違和感を覚えて飲まない可能性がある。それよりもカプセルに覚醒剤を詰めて精力剤として飲ませるほうがはるかに楽だろうし彼女が渡せばドン・ファンが素直に飲む可能性は高い。

「いいかい。今回の事件で疑われているのは早貴ちゃん、そして大下さんなのは理解できるよね。それを払拭するためにも事件前後のことを詳しく聞きたいんですよ」

 私は彼女らにこのように伝えて同意を得ていた。

 実際、警察でも同じことを言われたと大下さんも言うので、根掘り葉掘り聞いても嫌がるそぶりは見せなかった。

■警察が描いた別のストーリー

「実行犯が私たち2人で、黒幕がマコやんとヨッシーという見方も警察はしているみたいよ」

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