著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<118>「私、いごんを認めます」「早いほうがいいんで」態度を豹変させた早貴被告

公開日: 更新日:

 2019年9月になって田辺市は、遺産の受け入れを表明したが、私は不満を募らせていた。私には遺言が無効であると訴える権利がなかったからである。それができるのは遺族だけで、結果的に20年春に遺族は遺言無効の訴えを和歌山地裁に起こしたが、それに早貴被告は加わらなかった。

■取り分は7.5億円減る

 前述したように遺言が有効なら彼女の取り分は7.5億円減る。遺族が遺言無効の訴えで勝訴すれば早貴被告の取り分は増えるのだから、彼女が訴訟に加わってもいいのに、それをしなかったのだ。

 早貴被告の弁護士たちは、なぜ田辺市と対峙しなかったのか。遺族を排除できれば遺産分割は早くできると思って遺言を認める作戦に出たとしか、私には理解できなかった。

 9月12日は朝からシトシトと雨が降っている陰鬱な日だった。時折雨脚が強くなってきた午後3時に和歌山家庭裁判所の田辺支部で「いごん」の検認手続きが行われた。私は裁判所の駐車場で出席する者たちを観察していた。

 当然のことながら、この日に行われる検認手続きを知るマスコミはおらず、裁判所は平静だった。  =つづく

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