「姉様キングス」結成秘話…「何とか元取らなあかんな。一緒に何かしよか」
「あやめさんと僕とでは、キャリアがちょうど10年違います。落語会だと、僕がトップであやめさんが2番手という並びになることが多かった。学校寄席でもよく一緒になりました。ある時、日舞のお師匠さんのお客さまで芸妓さんが、僕の踊りを見た時に、『朋輩が1人芸妓をやめるんで、日本髪のかつらがひとついらんようになるから、あんたにあげるわ』と、くれはったんです。ありがたいけど、かつらを頭に合わせる鉢がねを作るのに15万円もかかりました。同じ頃、あやめさんも日本髪をかぶらなあかん仕事があって、15万円かけて作ったのに、キャンセルになった。2人して、『何とか元取らなあかんな。一緒に何かしよか』と考えた結果、芸者姿で顔は白塗りで、音曲漫才をやることにしたんです」
当初のコンビ名は姉様キングスではなかった。
「かつらのことを『ズラ』と言いますやろ。それでズラシスターズ。僕は男でも女形ですからシスターズです。まず、音曲漫才らしいテーマソングを2人で考えました。『島田かぶっておしろい刷けば』という歌詞が最初に浮かんで、『違うあなたとホントの私』と続けました。芸妓という別人格になるけど、それが本質かもしれないという意味です」 =つづく