<167>真砂田辺市長は野崎幸助さんの土地購入に関する質問をはぐらかした
この時市長は不在だったので、奥さまに名刺を渡して、「ご連絡を取りたいのでお電話いただけるようにお伝えください」と伝えたが、連絡はなかった。
「購入したんですか?」
「それは、お答えできません。こんなところ(イベントの会場)で答えることはしていないんです」
「では、どうすればいいですか?」
市長はその質問に答えることなくイベント会場に向かって歩を進めた。
「購入したかしないか、だけですから難しいことじゃないですよね。あなたは市長だったし、市長決裁がなければ購入できないんですから」
「ですから、このような場所でのお答えは差し控えていますから」
「こんな簡単な質問にもお答えできないんですか? あなたと昵懇の仲だったドン・ファンの土地ですから覚えているのは当然ですよね」
「……」
市長はそのまま足早にイベント会場に入ったのである。
(つづく)