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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

「何言うてんねん」を愛し続けるAマッソ加納のトガった笑い

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 加納はコピーライターだった父がヤバかったと同番組で明かす。たとえば祖母の家に行った際、「祖母に聞こえないように悪口を言ったら、1000円やる」といったゲームを2つ上の兄と一緒にさせていたそう。それを加納は「ノリノリでやっていた」と。

 そんな加納は「いろんな笑いがあるけれど、私は『何言うてんねん』が大好きだ。受け手が腹を抱えて笑いながら『何言うてんねん』と言うしかないものに出会った時、安い言葉だけど、人生って楽しいなぁと思う」と自著「イルカも泳ぐわい。」(筑摩書房=2020年11月18日発売)につづっている。

 20年の「THE W」(日本テレビ系)決勝進出以降、テレビの露出が増えたという。動物ロケで「かわいい~」などと言っている自分に「私、今まで頑張ってきたのに動物持って『かわいい~』言うてるで」と思ってしまうと加納は笑う(テレビ東京系「あちこちオードリー」21年12月1日)。


 以前は「『そこまでしゃべらへんぞ』と、何者でもないのに、守るものだけ一丁前にあったときもあった」という加納だが、最近では「隠すよりも、自分という人間をわかってもらえたほうがいいと思えるように」(講談社「VoCE」21年8月20日)なったという。「自分の中で『あ、考え変わった』みたいなステージに出会えるのが、続けることの一個の意味かな」(文芸春秋「文春オンライン」20年11月28日)と。

 そうして加納は「丸くなった」と言われる現在でも、気づかれるかどうかのラインを狙うように「何言うてんねん」なトガった笑いを挟み込むのだ。

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