【番外編】「うめだ花月」の打ち合わせ、渡した台本を照明さんがそのままゴミ箱へ…
1987年の夏ぐらいだったと記憶しています。
「漫才作家」を名乗って4年目。漫才台本だけを書いて、なんとか食べていた頃、当時の「うめだ花月」には20分間の枠で歌あり、コントあり、漫才ありの「ポケットミュージカル」というコーナーが週替わりで行われていて、トミーズがネタと歌で出演するため、構成を担当することになりました。漫才台本を提供して「うめだ花月」の舞台で演じてもらうことは何度もありましたが、それ以外の仕事としては全く初めてのことでした。
本番1週間前、劇場のスタッフに連れられて、最上階にある音響室と照明室へ打ち合わせに。音響担当の方にあいさつと内容を説明して了解をいただき、照明室へ行くと“事件”は起こりました。
「本多と申します。今回はよろしくお願いいたします」とあいさつをして台本を手渡すと、50歳ぐらいのがっちりした体格の照明さんは「おはようさん」と言いながら、渡した台本をそのままゴミ箱へ捨てられたのです。私は予想もしていなかった出来事に唖然として、声も出せずに捨てられた台本を見ていました。