死後も笑いに昇華 「最後を任せれば大団円」有吉弘行が語る上島竜平の天才性
そんな上島を有吉は「ナプキンみたいなもん」と例えた上で「吸収力抜群っていうか、何でも吸収しちゃうので。どんなに悪口を言われても『うるせえ』ってならないんですよ。あと、みんながドンズベリの状況でも、最後あの人に任せてしまえば、スベるにしろウケるにしろ、それで大団円を迎えられる」(同前)と評している。しかし、本人はあまりにも悲しい最期を迎えてしまった。
その上島の死後のエピソードを、いち早くテレビで話したのも有吉だ。上島の葬儀で「松村(邦洋)さんがお焼香の回数がわからないって葬式中みんなに聞いてるの」「お坊さんのお経をずっとマネたり(略)みんな泣いてるのに(松村は)お坊さんに夢中なの」(テレビ朝日系「マツコ&有吉 かりそめ天国」22年6月3日)などと笑い話に昇華させたのだ。上島は生前、自著で自分の葬儀についてこんなふうに理想を語っていた。
「俺の葬式はみんなで笑えばいいんだよ。わーって宴会すればいいんだよ。一番楽しいもん。俺は、顔ひげで豆しぼりの格好で棺桶に入って、みんなで担ぎ出される時に1回落とす。リアクションないから、次におでんを食べさせたりね。『熱い熱い』ってリアクションがないから、やっとみんなが“竜ちゃんが死んだんだ”って分かったり(笑)。俺の葬式はこんな風にやってほしいよ」(竹書房「これが俺の芸風だ!!」05年8月1日発売)
盛大に笑って見送ることこそが、上島竜兵にとっての最高の追悼であり、大団円なのだ。