「イモ欽トリオ」の“ワルオ”こと西山浩司さん 僕ら3人の仲は「今が一番いい関係ですよ」
西山浩司さん(「欽ドン」のワルオ/61歳)
1970~80年代、“欽ちゃん”こと萩本欽一の番組が大ヒットを連発。出演者は“欽ちゃんファミリー”として視聴者に愛されたが、西山浩司さんもそのひとりだった。81~83年放送の「欽ドン!良い子悪い子普通の子」(フジテレビ系)に“ワルオ”役で出演し、大人気になった。運動神経抜群で「最強の男は誰だ!壮絶筋肉バトル!!スポーツマンNO.1決定戦」(TBS系)でも活躍した西山さん、今どうしているのか。
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「この夏、『イモ欽トリオ』初の全国ライブツアーをやりまして、これがそのときのフライヤーです」
都内のファミリーレストランで会った西山さん、チラシを差し出しながら、まずはこう言った。
「イモ欽トリオ」は「欽ドン!良い子悪い子普通の子」の“フツオ”役の長江健次、“ヨシオ”役の山口良一と結成した番組から派生したユニット。81年、シングル「ハイスクールララバイ」(フォーライフ・レコード)を160万枚と大ヒットさせ、アイドル的な人気を誇った。
「東京、大阪など全国10カ所のライブハウスで開催し、どこもほぼ完売でした。当時、いくら人気があったとはいえ、僕ら3人での活動はたったの1年半だし、もう約40年経っています。だから、こんなにたくさんの人が足を運んでくれると思っていなかったので、言い出しっぺの僕としては驚きました。僕ら3人の仲は、昔は良くもなく悪くもなく。それぞれがいい年の取り方をしたのか、今が一番いい関係ですよ」
来年はコントなどで構成する舞台の企画の話が出ているという。しかし、なぜこのタイミング?
「時間ができたからです。この5月まで、カミさんが代々木上原でやっていた18席の『小料理Bar皆月(みなつき)』をほぼ毎日手伝っていました。カミさんが料理で、僕はホール担当で。ところが、ビルの建て替えで立ち退きとなり、閉店しました。14年間続けたので、もうやりきった。移転して再開する予定はありません」
夫人は4歳年下の女優・吉内里美さん。飲食店経営に失敗して借金を抱える芸能人は少なくない。14年も続けられたなんて立派だ。
「カミさんのがんばりのおかげ。カミさんは『皆月』の前に他の飲食店を、知人と一緒にやっていたので経験があったんです。最初の3年は僕は店にはノータッチでしたが、東日本大震災で客足が落ちたときに雇っていた料理人が独立し、それなら、と僕が手伝い始めました。僕は40代から仕事が減ってきて、本当は役者を一番やりたいのになかなか使ってもらえず、そのつらさで気が狂いそうだったこともありました。だから、“店を手伝う”という“毎日やること”ができて良かったと思います。人とのつながりが増えて楽しかったし、お客さんとしゃべることで自然に話す訓練にもなりましたし」
客やファンとの交流は続けたいと、閉店翌月の6月から毎週木曜にポッドキャスト(インターネットラジオ)で「西山浩司のどこまでワルオなの!?」の配信を始めたそうだ。
イモ欽ツアー後、反戦をテーマにした硬派な舞台「九人の乙女~氷雪の門」で客演。そして、この夏はもうひとつ、うれしいことがあった。
「僕がデカ役で出演した『太陽にほえろ!』が放送開始50周年だったので、番組の大ファンの箱根のホテルのオーナーが、キャストやスタッフに声をかけ、同窓会を開いてくれたのです。ゴリさん(竜雷太)、デンカ(小野寺昭)、テキサス(勝野洋)……デカ役の俳優は僕を含め8人集まりました。懐かしかった! このときのエピソードもポッドキャストで話しています」