中学2年生のときに一番好きだった柳家小三治のところへ弟子入り志願も…
三三は1974年、小田原市に生まれた。小学校1年生の時、落語にハマったというから早熟である。
「とにかく勉強が嫌いで、学校に行かないためにはどうすればいいのか考えまして。落語が好きで、小田原から寄席に通ってたくらいですから、落語家になればいいと。中学2年の時に、当時一番好きだった小三治のとこへ弟子入り志願に行ったわけです」
中学生の弟子入り志願なんて、私も聞いたことがない。
「師匠に、『中学も満足に出ていない者が、お客さまを納得させる芸ができるとは思えない。高校くらいは出るもんじゃねえか』と諭されまして、いったん断念して地元の高校に進学しました」
勉強嫌いには、さぞ苦痛であったろう。
「学歴は高卒ですが、学力は中学生程度(笑)。高校2年の2学期、テストの日に学校をサボって再び師匠宅に伺いました。師匠は『高校に行ってるうちには気が変わるだろうと、その場しのぎにああ言ったんだが、来ちゃったんだからしょうがねえか』と、入門が許されました。正式には卒業後の1993年3月入門です」