笠智衆3部作編(4)「杉村春子さんは息子への愛だけ先走って、実は何もできない母親の雰囲気がよく出ている」
笠智衆の著書「あるがままに」を読むと、「恋の季節」を歌うために、プロデューサーからテープを渡されて、それを聴きながら何度も練習したがうまく歌えず、途中から家族全員の大合唱になったので、みんなに助けられたとか。ここでは鉱造が思わず歌を口ずさんで、自分の心の内を見透かされた恥ずかしさを、さらに歌うことでごまかすのだが、ドラマの鉱造とタキの関係は病に侵された息子を通して、新たな局面に入っていく。