今年も芝居三昧の日々だった 締めの舞台ではこの私が「ゴリゴリの右翼」を演じます
そして12月22日から今年7本目の芝居。イッツフォーリーズ作品ミュージカル「洪水の前」が始まる。
これはいずみたく氏が1980年に初演したミュージカルで、アメリカで映画やミュージカルにもなった「キャバレー」の原作を日本に翻案して作られた。私は初演で財津一郎さんが演じられた司会者他4役を演じさせていただく。ソロが4曲もあり正直荷が重いが、「世界は笑う」でも演じた、喜劇人の系譜を継承する気持ちで演じている。
「キャバレー」といえばライザ・ミネリの映画が印象的だが、あの大戦前のベルリンの退廃的な、そしてナチスの軍靴の音が徐々に響いてくるような雰囲気。今作はそれを満州の大連に置き換えていて、それが非常にうまく機能している。満州における日本の政治的支配、関東軍の進出、この当時の空気が、大連という架空のパラダイスのような街で、いずみたく氏の素晴らしい音楽とともに蘇る。
そして何よりこの空気が、今現在の日本の空気と驚くほど一致するのだ。
なんとこの私がゴリゴリの右翼を演じていて「大満州国を建設すべし」と叫び「われは行く」という歌では「血刀を振りかざし」「戦友の屍を越え」などという歌詞もある。