どこででも行けばネタが拾える! 新作落語は客の“あるある”話を引き出すことも
帰京した翌日、<しゃべり倒し>の会で祭りのリポートをしたのは言うまでもない。
「祭りの時に着けたふんどし姿のまま舞台に上がってしゃべり倒しました。久米さんの事務所、オフィス・トゥー・ワンのマネジャーが、僕を事務所に入れるかどうか決めるため見に来てた。終演後、『着物を着てる時、改めて見に来ます』と言われました(笑)」
その後、長野県の諏訪大社の御柱祭にも参加した。全国的に有名な式年祭で、危険を顧みず、材木の上に乗って傾斜面を滑り落ちるのをニュースで見たことがある。
「地元の方は死ぬ気でやってます。僕が参加した時、脅かされましたもの。『あんた、生半可な気持ちでやったら死んじゃうよ』って」
どこででも、行けば何かネタが拾える。これが彦いちのポリシーだ。
「新作を作る際に、SWAのメンバーと話すことでネタが膨らむんです。僕が育った鹿児島県の長島町では、小学校の給食に刺し身が出ると言ったら、メンバー全員に『そんなのねえよ』と突っ込まれた。それがもとになって出来たのが、給食の思い出をつづった『長島の月』です。聴いたお客さまは、それぞれの『給食あるある話』で盛り上がるそうです。『俺の小学校じゃこういうのが出た』とか。世代によって、脱脂粉乳、牛乳瓶、紙パックの牛乳と分かれるとか」