ジャニーズ性加害問題「再発防止特別チーム」会見に漂った“お手盛り感”のモヤモヤ
ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏(故人)の性加害問題を受けて設置された「外部の専門家による再発防止特別チーム」が12日、都内で記者会見を行った。会見にはチームの座長を務める前検事総長で弁護士の林眞琴氏と精神科医の飛鳥井望氏(被害者支援都民センター理事長)が出席。新聞、雑誌、テレビ、ネットメディアなど100人以上の報道陣が集結した。
ただ、調査はあくまでこれからというものの、質疑応答は隔靴掻痒感は否めない。ジャニー氏の性加害問題については過去に性加害があったことを前提にしているが、網羅的に調査することはなく、「当チームのミッションは法的責任を追及するものではない」(林弁護士)とし、飛鳥井医師は「性加害に対して、甘さのある組織風土があるとしたら、それに対する予防策を考えていく必要がある」と話した。
検証チームの名称が「第三者委員会」ではないことについては「ジャニーズ事務所が設定した名前。活動内容を端的に表しているので、この名称で問題はないと思う。私たちを第三者委員会であると受け取ってもらって差し支えない」と林弁護士はコメント。つまり、特別チームは独立した第三者機関ではなく、あくまでジャニーズ事務所に依頼され、コントロール下に置かれたチーム。もちろん報酬も発生し、「ジャニーズ事務所が設置したものなので(ジャニーズ事務所から)いただく」(林弁護士)そうで、調査結果をいつどう公表するかもイニシアチブを握るのはジャニーズ事務所なのである。
メディアからは「スポンサー企業や世間の事務所不信の最たるものに、藤島ジュリー社長の『知らなかった』発言がある。ワンマン体制だったから、知らなかったでは通らない。ところが、その肝心なところを調査することもなければ、調査結果を公表するかどうかも、ジャニーズ判断では、どこが第三者委員会なのか」「なぜ社長が表に出ないのか」という声が上がったのも当然だろう。