アイドル不作の年「83年デビュー組」に40周年記念ライブ計画が “出世頭”松本明子が怪気炎!
通好みの魅力
学生時代にアイドル評論雑誌の草分け「よい子の歌謡曲」にも携わっていた女優評論家の高倉文紀氏はこう話す。
「83年といえば、爆発的な人気を誇った82年組がどんどん新曲を出して大人気の頃ですから、そこに当てて新人を発掘してデビューさせていくのは作り手としても大変だったんですね。82年組の二番煎じではいけないし、かといってあまりに違うとヒットするかわからない。作り手にとっても“82年組の呪縛”があったんですよ。これが84年組となると、82年組、そして松田聖子(80年デビュー)に代表されるそれ以前のアイドルもだんだん成熟してくるので、それらに代わるフレッシュな才能が受け入れられるようになってくるんです」
そうした背景もあり、83年組は、キャラクターも楽曲も商業的なメガヒットには至らなくとも、実験的だったりして、通好みの魅力があり、アイドルファンの間では隠れた人気があると高倉氏はいう。
「例えるなら82年組が、ド派手で広く大衆に訴えた“AKB的な魅力”があったのに対して、83年組には、控えめながら静かな個性が光る“乃木坂的な魅力”が潜んでいたと思います」
中でも高倉氏が、印象に残っているのは……。
「このメンバーには入っていませんが、伊藤麻衣子(現いとうまい子)も83年に歌手デビューしています。来生たかお作曲のデビュー曲『微熱かナ』はまさに“隠れた名曲”ですよ。また現在も音楽活動を続けている人もいますが、当時の美貌そのままでベスト盤CDも発売された徳丸純子も印象深いですね」
復活ライブが実現すれば、往年のマニアックなファンも喜ばせることができるに違いない。