(5)「書く」ことは脳が衰えないことにつながる
現代人は物を書くことから、どんどん遠ざかっています。私は手紙を書く習慣があったので、書くということは身近なものでしたが、最近では手紙を書くことも少なくなってしまいました。
8月の終戦記念の時期に、昭和史のオーソリティーでいらっしゃる作家の保阪正康さんがテレビで理路整然と話されているのを見て素晴らしいと思って、ご年齢を調べたら83歳でいらして驚きました。学者の先生方もご高齢が多いですが、著書はもちろん論文を書いていらっしゃるのですから、書くことは脳がいつまでも衰えないことにつながるんですね。私も仕事の一環で書いておりますが、脳が老化しないためにも大事なことだと思っています。
実際に書こうとすると頭を使います。文章の組み立てや構成はもちろん、表現を工夫したり、物事を調べたり、疑問が残れば検証することもあります。書くという行為は決しておろそかにしてはいけないことなのです。
では一般の人がどうやって書くことに親しむかといえば、やはりSNSです。例えば、今日食べたおいしいラーメンの写真やローカル電車に乗ったときの車窓の写真にキャプションを添えるだけでも文章を書くことになります。私の場合、X(旧ツイッター)にテレビドラマの感想を書くことが多いのですが、制限文字数の140字に収めるために、文章を削ったり表現を変えたり、気がつくと頭を使っています。そんなわけでとくに中高年の方には、書くというきっかけのためにもSNSは積極的にやるべきだと思います。最初は関心を持ってもらえないかもしれませんが、友達に見てもらうだけでもいいじゃないですか。もちろんSNSは、不愉快なものや面倒くさいものがあります。でも、とにかく楽しくやってみてほしいのです。