中学生だった山口百恵に「青い果実」を歌わせた…「昭和歌謡」はスゴかった! (後編)
百恵20歳の昭和54年、「美・サイレント」ではカメラ目線でこう歌っている。
♪あなたの○○○○が欲しいのです 燃えてる××××が好きだから~
なんと歌詞に伏せ字が入る(その部分は口パク)前代未聞の曲だった。
作詞は阿木燿子。前述の過去をふまえ「もう成人したんだから、何を歌おうが自由よ。世の男たちを翻弄してやりなさい」というメッセージが込められていたように思う。今、トップスターにそんな歌詞が書ける、腹の据わった作詞家はいないだろう。
■男性にとって都合のいい「女心」だったけれど
ジェンダーについていうと、日本には演歌やムード歌謡の中に「女心を男性が歌う曲」が結構ある。その「女心」とは往々にして「私がダメだから捨てられるのね」「悪いところがあったら言って。直すから」といったもので、今なら時代錯誤の、男性にとってきわめて都合のいい「女心」だ。
その代表が、ぴんからトリオ「女のみち」か。