悪名高い「人質司法」を訴えた角川歴彦KADOKAWA元会長の勇気

公開日: 更新日:

 多くの冤罪を生み出してきた元凶「人質司法」は検察による“犯罪”といっていい。

 最近では、生物兵器の製造に転用可能な噴霧乾燥機を経産省の許可をとらずに輸出したとして化学機械メーカー「大川原化工機」の幹部3人が逮捕されたケースがあった。否認する3人を11カ月もの間勾留し続け、そのうちの一人相嶋静夫は深刻な胃がんで外部の病院で治療することを訴えたが、保釈請求は却下され、その後亡くなってしまった。享年72。しかも、これが違法捜査だったことが判明、検察は起訴を取り下げたのである。

 その前には、金融商品取引法違反容疑で逮捕された日産自動車前会長カルロス・ゴーンが、108日間身柄を拘束され“シャバに出た”後、人質司法を痛烈に批判したことで国際的な関心が集まった。だが、ゴーンが海外に逃亡してしまったことで、残念ながらそれ以上には広がらなかった。

■この国の刑事司法は世界最低レベル

 この国の検察や警察は、いったん逮捕すると「推定無罪」や憲法で保障されている「基本的人権」など無視して、弁護士も立ち会いさせず孤立させ、長時間の尋問を強要。狭い部屋に押し込め24時間監視しながら、自白を迫るのである。弁護士立ち会いを認めていない国は北朝鮮と中国だけだそうだ。この国の刑事司法は世界最低レベルということだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」