肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」
山川豊さん(65歳)
今年1月、がんを患っていることを発表した山川豊さんが復帰し、10月2日、新曲「兄貴」をリリースした。山川さんは実はステージ4の肺がん。これまでは重篤な状態であることは公表していなかった。「これからやるのは延命治療。完治はしないと言われた。5年歌えれば、いや3年でもいいから歌い続けたい」と胸の内を語る。
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がんがわかった最大のポイントは2年前から近所のクリニックで腫瘍マーカーの血液検査をやっていたことです。一昨年は胃、去年10月の胃と腸の検査では血液検査もやってもらいました。一昨年の数値が8.8。ところが去年は78に跳ね上がって異常に高くなっていた。それですぐに紹介状を書いてもらい、別の病院でCTを撮ったら「肺がんです」と言われました。
正直、エッ? と驚きました。「まさか」と思う半面、本当はどうなのかとモヤモヤし、悪かったらどうしようと胸騒ぎがしてね。もっと大きながん専門の病院で調べてもらおうと思ったので、また別の病院を紹介してもらいました。
CTやPET検査など本格的な精密検査をやって、結果がわかるまで2週間。いきなり「がんです」と言われてから1カ月たっていました。いやな予感がしていました。結果はステージ4の肺の非小細胞がんの腺がん。すでに頭に2カ所転移していました。がんと言われてからは落ち込みっぱなしでした。ステージ4と聞いた時は「これで俺はもうおしまいだな」と思いました。
■兄貴(鳥羽一郎)には「バカ野郎、とにかく治せ」と怒られた
がんとわかった時は兄貴(鳥羽一郎)には一番最初に報告しました。俺はもうダメかもしれないから、お葬式、お墓はこう、息子や娘はうまくできないかもしれないから兄貴や会社で仕切ってやってくれないか……。兄貴も食道がんをやって入院したことがあるから、がんのことはよくわかっています。
でも、そう言ったら兄貴は「バカ野郎、そんなことは考えなくていいんだ。おまえはとにかく何があっても病気を治せ。俺も応援するから」と怒られました。
1月10日に休業することを発表。1月16日に入院しました。ステージ4だから、手術はできません。組織を取って調べた結果、症状に合う抗がん剤があるから、「まず頭からやりましょう」と転移した頭のがんの治療が始まりました。治療といっても毎日、タグリッソという抗がん剤を朝1錠飲むことです。高価な薬です。2週間の入院でした。その間は抗がん剤が効くか、口内炎ができたとか発疹が出た、下痢したといった副作用を見ていたんだと思います。
2月上旬に退院。抗がん剤はずっと飲み続けて今も月に2回通院しています。
4月4日には医師の了解を得て、ラジオの公開収録の仕事で復帰しました。10月2日に新曲「兄貴」を発売しました。「潮のにおいを 拭き取りもせず」という兄貴そのものを歌っているような曲です。