「おはよう日本」(前編)ゲストの永六輔と大江健三郎の秘話
今日は印象に残るお二方のお話を。
永六輔さんはインタビュー中に「あなたたちは何を伝えたいのかという意思を明確に持っていますか」というようなことをおっしゃいました。
私自身いつも視聴者に伝えたい気持ちは持っていましたが、永さんに厳しく問われると「私は本当に意思を持って伝えているのか」とあらためて考えさせられました。放送後にも議論になって。
後日「あれからいろいろ考えました。ありがとうございました」と自分の考えを添えて手紙を書いたところ、返信のハガキには「本番後の慌ただしい中の言葉、気にしないでください」と書かれていました。厳しさと優しさと両方で包んでくださる貴重な方でした。
大江健三郎さんは同郷で、「坊っちゃん」に出てくる、夏目漱石が赴任した松山中学校(後の松山東高校)の大先輩。番組が初対面で、そこから何度かご一緒する機会があり、「君たちに伝えたいことば」と題して中学校で行われた、とあるフォーラムで私がMCをさせていただいたこともありました。
大江さんは子供たちに「大人と子供は続いているのだから、『今』の自分の中の『人間』を大切にしてほしい」とお話をされ、心を動かされたことを思い出します。常に子供たちの未来を考えておられました。