年収5000万円もありながら“2つの病”に勝てなかったジャンポケ斉藤慎二の転落
“病”を2つも抱えた亭主を、タレントで妻の瀬戸サオリは、「夫側の一方的な行為ではなかった」と擁護しているが、“情けが仇”になっているようだ。
実は、私は女性にはモテなかったが真性のギャンブル依存症だった。大学で覚えた競馬にのめり込み、社会人になっても土、日は朝から競馬場に入り浸った。帰りは、とぼとぼとオケラ街道を歩き、駅前の交番で電車賃を借りたことも1度や2度ではなかった。ギャンブルのスリルは賭けた額に比例する。夏冬のボーナスを全部ぶち込んで1点勝負したことも何度かある。
最初に競馬を見たのはシンザンが勝ったダービーだから60年以上も競馬を見てきているが、馬券でいい思いをした記憶がない。30代半ばで結婚したカミさんに、なぜ借金ばかりなのかとなじられた。それでも競馬をやめられなかった。
定年後、ようやく依存症から脱出できたのは、あまりに当たらないことに嫌気がさしたのと、カネの工面ができなくなったからである。私には借金を頼める友人知人も、筋の悪い金貸しもいなかった。今は毎週、テレビを見ながら100円、200円のチマチマ勝負。たまに当たれば夕飯の膳にスーパーで買ったマグロの刺し身がのる。
安酒をあおりながら、2つも“闇”を抱えた斉藤のこれからを、ふと、思った。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)