著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

石田靖は常に全力投球 熱意に押された先輩が「よっしゃ!石田の気の済むまでやろ!」と

公開日: 更新日:

「探偵!ナイトスクープ」「開運!なんでも鑑定団」などでもおなじみの、石田靖くんは京都産業大学在学中にオーディションに合格して吉本に所属しました。今ではNSCに入学する人がほとんどですが、オーディションで採用されたのは、やはり光るものがあったのでしょう。

 新人の頃は大学のアマチュアレスリング出身で礼儀正しく、大きな声で存在感は抜群。「スケールの大きい元気な子が入ってきたな」という印象でした。裏表のない性格と持ち前の人懐っこさで先輩たちにも可愛がられ、ほどなくしてレギュラー番組を持つことに。バラエティー番組では何度も仕事をしましたが、真摯に生真面目にそして大胆な彼のいる場所はいつも明るく元気な空気で満たされていました。

 1989年から始まった「新喜劇やめよッカナ?キャンペーン」で吉本新喜劇に参加。私も翌年から新喜劇を書くようになり“武闘派”の石田くんと思いもしなかった“タッグ”を組むことになりました。特に座長になってからは、ストーリー展開はもちろん、その場その場のお芝居にも「完璧」とはいわないまでも常に「よりよいもの」を求めて詳細で緻密な打ち合わせ、綿密な稽古が続きました。私も“ダメ出し”を数多く受けました。お笑いに正解はないので「より面白い」と思うことを人一倍追求する石田くんの姿勢が好きでした。

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